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トップページ > 交流広場・談話室 > 第8回九州森林フォーラム「九州のまちと山々を結ぶ」から 交流広場・談話室第8回九州森林フォーラム「九州のまちと山々を結ぶ」から事務局
平成19年10月13日(土)に熊本県球磨村:石の交流館やまなみで,NPO法人九州森林ネットワーク主催・球磨川水系ネットワーク共催による,標記のフォーラムが開かれた.本会の宮原会長が法人の理事でもあり,出席されて持ち帰られた資料をいただいたので,その要約を少し報告させて頂く.(社)国土緑化推進機構の「緑と水の基金」一部助成で開かれた,森林環境や木材に関しての様々問題をとりあげている,九州森林フォーラムは次の内容から成っている.人口5000人の球磨村長の歓迎挨拶の後は,藤森隆郎氏:(社)日本森林技術協会技術監査役による,基調講演「流域環境に配慮した森林の管理と経営」と質疑応答がなされている.その後の体験発表の部では4つの話題が提供されている. <基調講演> 演者は,まず持続可能な社会構築のために,森林との付き合い方を問うている.ニホンオオカミの絶滅がニホンジカの繁殖を促したことを例にとって,森林生態系の崩壊を招いたことから,地域の循環型社会の構築の必要性を示唆し,流域ごとに森林の保全と利用を考えることが,地域そして地球の環境保全につながることを述べている. 森林の機能と構造の説明から,森林を生産林・生活林(里山林)・環境林に機能区分してその目標林型ごとに管理施業することを提唱している.このために森林組合単位・市町村単位で地域ビジョンの基づきゾーニング(目的別地域区分)を行い,モザイク的に環境林が配置されることが望ましいと言っている. また現在のあいまいな制度を指摘して,優れた環境林を維持するための具体的な方策として,森林所有者に社会的評価をなして報償金を与える制度の必要性を提言している.さらに天然林は、1)成長低下による蒸散量の減少 2)降雨の遮断 3)下層植生による地表面及び土壌構造の発達 によって保水力を高め,かつ炭素貯蔵量を高めたり化石エネルギー使用量を節減できることから,その管理を環境林・生活林(共生林)・生産林ごとに考え,地域の循環型社会の構築につなげること述べている.最後に技術者(協力者を含む)の育成・養成・確保が最大の課題であることを強調している.(演者による参考文献として,森との共生〜持続可能な社会のために.丸善,2000,新たな森林管理〜持続可能な社会の向けて.全国林業改良普及協会.2003,森林生態学〜持続可能な管理の基礎が挙げられている.) (森林の本質について,非常にわかりやすい内容であったように思う.特にゾーニングとモザイク的配置技術は,共生型地域デザインの基本と共通する計画思想であることに共感を覚えた.とくに長崎大水害の斜面地における人工林の崩壊の経験から,いわゆる適地適木のお話がモザイク的配置つながるのかな,との印象を受けた.また長崎県の森林環境税が有効に使われることを念じた.) <体験発表>
以下,ワークショップ,助言・感想については省略. News Letter第5号より抜粋
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